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2023.11.29 全学科
多文化交流・国際福祉の理解を促す 2023 ポレポレキャラバンを開催

 11月16日(木)、社会福祉学部の西﨑緑教授(専門:社会福祉学)が、アフリカの貧困や自然破壊の問題を音楽とともに楽しく学ぶ、アフリカトーク&ライブ「ポレポレキャラバン」を開催しました。これは、早川千晶さんと大西匡哉さん(ミュージシャン・ドゥルマ民族伝統継承者)が日本全国で実施する同イベントを通じて、開発途上国への理解を深め、スラムの人々の生活を知り、学生たちに「自分たちに何ができるのか」を考える機会として企画したもの。この取り組みは、熊本県国際協会の助成を受けて実施され、学生、教員および地域住民の方、のべ400名が参加しました。

 「ポレポレキャラバン」に先立ち、スピンオフイベントとして、マサイ族青年リーダーのジャクソン・オレナレイヨ・セイヨさんと永松真紀さん夫妻による、マサイ族の伝統文化や子育てについての講演会が427教室で行われました。永松さんは、大自然のなかで生きるマサイ族の伝統文化や子育て、生活を紹介。マサイ族は牛とともに生きる民族であり、人生には4つの段階(子ども・青年・おとな・長老)があると考えていること、男女の役割が明確に分かれていることなどについて説明しました。また、一夫多妻制の文化について、「家族が増えることで、構成員がそれぞれの特徴をいかして助け合えるシステム」と説明しました。夫のジャクソンさんも登場し、装飾品や狩りの道具、生活圏での動物たちとの関係について語ると、夫妻は、近年の異常気象やケニアの経済発展についても言及。草原の減少がマサイ族の生業である牧畜に影響を与え、子どもたちの将来の選択肢を増やすために学校をつくったと述べました。講演後、聴講者から「マサイ族が使うマー語は日本人でも習得できるか」「子どもたちはどんな遊びをするか」といった質問が投げかけられました。

 その後、14号館の高橋守雄記念ホールで「ポレポレキャラバン」が行われ、早川さんがキベラスラム(ケニア・ナイロビ地区)で困窮児童や孤児の駆け込み寺「マゴソスクール」について紹介しました。35年間ケニアで暮らすことになった経緯や「世界中の人々が平等な権利を持ち、幸せに生き、子どもたちも苦しむことなく守られるべき世界をめざしている」と活動の目的を述べました。ケニア伝統太鼓「ンゴマ」奏者の大西匡哉さんと特別ゲストの長崎大学准教授でキーボード奏者の増田研さん、そして早川さんによるライブでは、ケニアの伝統的楽曲や大西さんオリジナル曲など計6曲を披露。「ンゴマ」やギター、鈴の音と迫力ある歌声がホールに響き渡り、参加者が軽快なリズムに手拍子し、音楽に身を任せる様子や、スマートフォンをライト代わりに振る光景が見られ、会場は一体感に包まれました。大西さんは、ケニアの開発で村が失われたことに触れ、「開発が悪いわけではないが、犠牲を出すべきではない」と述べました。また、自身が子どもを授かった経験から「命は授かりものであり、生きていることは奇跡。この大切なテーマを忘れず、どう生きるか、どう生かすかを自分のテーマにしている」と参加者に語りました。

 子ども家庭福祉学科2年の女子学生は、「初めてアフリカ音楽を聴いたが、これまで聞いてきたさまざまな国の音楽を彷彿とさせ、アフリカ音楽がすべての音楽の根本にあるような感覚があった。また、ライブを通して『生きていることは奇跡』と改めて考えさせられた。今後も機会があったらライブに行きたい」と語りました。そのほか「マゴソスクールについて初めて知った。日本人がケニアで活動していることに驚いたが、自分も世界が平和になるような活動をしてみたい」といった感想が寄せられました。