学科DATA
学生数:207名
(男子:59%/女子:41%)
教員数:11名
福祉とは、「幸せを追求する人をささえること」。
そして福祉環境学は、「すべての人の幸せが実現できる社会を、環境から考える」学問です。
今を知り、明日の福祉環境を考えるため
現場に赴きフィールドワークを軸に実践力を身につけます。
社会福祉学の新たな領域として、社会環境や公害、環境破壊などに実践的・政策的に関わり、研究する福祉環境学を学びます。環境に配慮した「持続可能な開発目標(SDGs)」が世界的な指針となりつつある近年。社会がめざす方向に沿った学びの場があり、環境という視点から課題を解決する力を養います。
福祉環境学は日本で初めて本学で開講された学問であり、「水俣学」「障害学」など独自の学びが得られます。中でも「水俣学」は、熊本で起きた公害事件から未来への希望を模索する学問として、海外からも注目を集めています。フィールドワークを重視した科目が多いのも特長です。
2017年度から本学科で開講した「災害と社会」では、熊本地震の教訓から、日頃の備えや災害発生時にどのように情報を入手し行動すべきかを、本学園の福祉的な避難所の取り組みや、行政の対応・課題を通して学びます。近年頻発する、地震や気候変動による災害に備える力を養います。
福祉環境学科のコア科目である「福祉環境学入門」「福祉環境論特講」では、フィールドワーク(現場学習)を取り入れ、教室での授業と現場学習が交互に行われます。現場に触れることで、一人ひとりが福祉環境に関わる問題に関心を寄せ、共生社会とは何かを考えるきっかけとなります。
4年間の学習基礎を築くことを目標としています。福祉環境学科の教員が行う集団講義と並行して、ゼミ単位での授業やグループ討論も行います。現地研修では1年生全員が、2日間にわたって水俣を訪問し、知見を深めます。
熊本地震をはじめ、全国各地で大規模災害が発生している近年。平時より知識を蓄え、災害時に行動できる人材の育成を図るため、行政担当者や福祉関係者などを招き、災害に対する知識と考える力を身につけます。
精神医学と精神医療の概念や歴史を学び、現代社会における代表的な精神疾患について、成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援などの多領域を理解していきます。
障害者関連施策のうち、福祉サービスを必要とする「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」を中心に学習します。「障害者権利条約」の人権保障の観点から、従来の福祉のあり方についても考えていきます。
精神しょうがい者の生活全般について理解を深め、精神保健福祉法などの法律を知り、社会制度上の支援を活用するための知識を身につけます。相談援助を行う専門職として、精神しょうがい者に対する関わり方についても学びます。
進行する地球規模の環境問題に対する理解を深めるとともに、良好な環境を維持するために必要な生活と企業の取り組みを学びます。その一環で、「我が家のエコ度」をチェックし、自分の暮らしのあり方を考えます。
「福祉と共生」を軸に、障害児者・子ども・外国人などすべての人が共に生きることができる社会の実現には何が必要かを学んでいます。3年次には「インクルーシブ教育」「外国人労働者」「社会不安障害」をテーマに、班に分かれて研究。グループ討論やフィールドワーク、当事者との意見交換では、新たな気づきが多く価値観も変わりました。生活に密接に関わる「福祉」を学び、よりよい社会づくりをめざしたいです。
しょうがいのある人が地域で自立生活ができるよう社会的障壁を除去し、共生社会を築く方法を研究する「障害学」と、社会的に不利な立場の子どもたちの権利が守られるよう代弁・支援を行う援助技術「子どもアドボカシー」を研究しています。学生には、当事者の声や現実を知り、自分なりの問題意識や考え方を持ってほしいです。常識にとらわれず、新しい福祉の形を切り拓いてくれることを願います。
ゼミテーマ | |
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城野ゼミ | メンタルヘルスと環境 |
髙倉ゼミ | ソーシャルワーク専門職の倫理等 |
陳 ゼミ | 事例・判例を通して考える家族と法 |
中地ゼミ | SDGsと環境問題 |
花田ゼミ | 水俣学としょうがい者問題 |
堀 ゼミ | 福祉と共生 |
宮北ゼミ | 環境・経済・社会の持続可能性の追求 |
岡部ゼミ | 西洋の歴史における貧困と福祉 |
髙木ゼミ | 災害からの復興プロセスの研究 |
矢野ゼミ | 日本における差別と人権 |
藤本ゼミ | 環境社会学・地域社会学 |
※ 年度により変更になる場合があります。
私は車いすで生活しているので、しょうがい者が生活しやすい環境づくりを考えたいと本学科に進学しました。「生活と地域環境」では、車いすやしょうがい者の視点から、参加しやすいイベント運営の方法を調査する熊本市でのフィールドワークも経験。社会福祉士資格取得のための講義も充実しています。バリアフリー環境が整った本学に通うことで行動範囲や考え方も広がり、成長を実感しています。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
1 | 精神保健 福祉論II |
地域福祉論I | ソーシャル ワーク論I |
ソーシャル ワーク方法論I |
ソーシャルワーク 演習Ⅲ |
2 | 生活と 地域環境 |
西洋史概論Ⅱ | |||
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3 | 精神医学II | 高齢者 福祉論Ⅰ |
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4 | 社会調査 | ソーシャル ワーク演習I |
生活と 福祉情報 |
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5 | 児童家庭 福祉論I |
公的扶助論 |
福祉と環境に興味があり、フィールドワークの授業が充実していることを知って本学科へ進学を決めました。なかでも印象深いのは、車いすと生活環境について学習した時に、実際に車いすに乗って中心市街地まで出かけたこと。体験してみると利用者の気持ちや状況が身に染みてわかり、新たな発見がたくさんありました。また、相手の立場で考えて感情の機微に気づくことの大切さや、社会環境を整える必要があることを痛感しました。これからは大学で学んだことをいかしながら、銀行員として社会の「安心な暮らし」を支えていきたいと思っています。