学科DATA
学生数:260名
(男子:68%/女子:32%)
教員数:10名
福祉とは、「幸せを追求する人をささえること」。
そして福祉環境学は、「すべての人の幸せが実現できる社会を、環境から考える」学問です。
今を知り、明日の福祉環境を考えるため現場に赴きフィールドワークを軸に実践力を身につけます。
社会福祉学の新たな領域として、社会環境や公害、環境破壊などに実践的・政策的に関わり、研究する福祉環境学を学びます。環境に配慮した「持続可能な開発目標(SDGs)」が世界的な指針となりつつある近年。社会がめざす方向に沿った学びの場があり、環境という視点から課題を解決する力を養います。
福祉環境学は日本で初めて本学で開講された学問であり、「水俣学」「障害学」など独自の学びが得られます。なかでも「水俣学」は、熊本で起きた公害事件から未来への希望を模索する学問として、海外からも注目を集めています。フィールドワークを重視した科目が多いのも特長です。
2017年度から本学科で開講した「災害と社会(講義と演習)」では、熊本地震の教訓から、日頃の備えや災害発生時にどのように情報を入手し行動すべきかを、本学園の福祉的な避難所の取り組みや、行政の対応・課題を通して学びます。近年頻発する地震や気候変動による災害に備える力を養います。
福祉環境学科のコア科目である「福祉環境学入門」「福祉環境論特講」では、フィールドワーク(現場学習)を取り入れ、教室での授業と現場学習が交互に行われます。現場に触れることで、一人ひとりが福祉環境に関わる問題に関心を寄せ、共生社会とは何かを考えるきっかけとなります。
4年間の学習基礎を築くことを目標としています。福祉環境学科の教員が行う集団講義と並行して、ゼミ単位での授業やグループ討論も行います。現地研修では1年生全員が、2日間にわたって水俣を訪問し、知見を深めます。
来るべき大きな災害に対し、「備えあれば憂いなし」となるように、知識と考え方を身につけることを目的に、熊本地震の教訓、災害時の情報収集手段、求められる行動、行政の対応などをオムニバス形式の講義で学びます。
精神医学と精神医療の概念や歴史を学び、現代社会における代表的な精神疾患について、成因、症状、診断法、治療法、経過、本人や家族への支援などの多領域を理解していきます。
ヨーロッパの文化・福祉などに関する教養を身につけ、⻄欧社会における福祉の歴史を深掘りします。 異文化の福祉の事例を学ぶことで、幅広い思考力を養うことができます。
障害者関連施策のうち、福祉サービスを必要とする「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」を中心に学習します。「障害者権利条約」の人権保障の観点から、従来の福祉のあり方についても考えていきます。
現代社会における複雑なメンタルヘルスの問題を多文化的視点、歴史的視点などから紐解いていき、メンタルヘルスについての基本的な考え方と精神保健福祉士の役割について理解を深めます。
進行する地球規模の環境問題に対する理解を深めるとともに、良好な環境を維持するために必要な生活と企業の取り組みを学びます。その一環で、「我が家のエコ度」をチェックし、自分の暮らしのあり方を考えます。
ゼミテーマ | |
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岡部ゼミ | 西洋の歴史における貧困と福祉 |
城野ゼミ | メンタルヘルスと環境 |
髙倉ゼミ | 保険診療契約の患者側主体 |
陳 ゼミ | 事例・判例を通して考える家族と法 |
中地ゼミ | SDGsと環境問題 |
堀 ゼミ | 福祉と共生 |
矢野ゼミ | 日本における差別と人権 |
藤本ゼミ | 環境社会学・地域社会学 |
※ 2022年度実績
高校時代に老人ホームを見学した経験から福祉の仕事に興味を持ち、社会福祉士の資格を取得できる本学科を志望。陳ゼミに参加したのは、日常で耳にする家族についてのさまざまな事例や判例を深く知りたかったから。今は、他のゼミ生と議論をするなかで、自分と違う意見があることを認め、多様な価値観があることを実感できるように。判例などについて意見交換を行うので、法的知識も身につけることができます。
ゼミでは、家族問題について、学生自身が興味のある事例を探し、深く調べて発表します。法の学びを通して社会的責任や倫理観について学び、論理的・批判的思考や総合判断力が養われます。また、実際に裁判所に出向いて傍聴した裁判について、学生同士で意見交換する場も設けているので、他者との考え方の違いに気づき、新たな知見とより深い学びを得ることにつながります。
※ 学年は2022年4月現在
「福祉環境論特講」では、熊本市東区の尾ノ上地区で地域の人たちへの聞き取り調査を行い、地域の公園のいいところや課題を地区のイベントで発表。課題の一つであるゴミのポイ捨て問題について改善策を提案しました。人と触れ合いながら学習するフィールドワークが楽しくて新しい発見もあり、自分のやりたいことが見つかった気がします。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
1 | ソーシャル ワーク 方法論II |
高齢者 福祉論I |
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2 | 民法II | 福祉環境論 特講 |
歴史のなかの 福祉 |
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3 | |||||
4 | 社会調査 | 生活と 福祉情報 |
ソーシャル ワーク論 II |
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5 | 障害児・者 福祉論 |
ソーシャル ワークと法 |
1年次に体調を崩した際に、かかりつけの病院で身体的な面だけでなく精神的な面も救われたことが、病院への就職をめざしたきっかけです。ソーシャルワーク演習の相談援助のロールプレイや、福祉環境学入門の車いす体験などで、病院での業務をイメージすることができました。社会福祉士の資格を取得することで、仕事の幅も広がり、学んだ知識を最大限にいかせると考えています。患者様にとって病院に行くことは不安なことかもしれません。困っている人や悩みを抱えた人が安心して受診できるよう信頼されるソーシャルワーカーになりたいです。
※ 学年は2022年4月現在